Pt900 ダイヤモンド
フルオーダー リング

BEFORE
TOTAL 15万円前後
AFTER

素材刻印    Pt900
ブランド    なし
納期      4週間
金額内訳

 CAD原型製作代 ¥50000

原型代のみ表示
材料代・加工代は含まず。

職人コメント

東京都内よりご来店のお客様より
ダイヤモンドのお持ち込みで
フルオーダーリングのご依頼をお受けしました。

ご希望のデザイン見本もお持ちで
かなり細身なデザインでした。

セミオーダーの枠で似たデザインも見ていただきましたが
小粒ダイヤモンドもお持ち込みのものを使いたいということで
フルオーダーに決まりました。
地金やWAXを使って作るより
今回はCAD(パソコン上で原型データを作る方法)向きのデザインだったので
お見積りを提示して
金額にも納得していただいてから
製作に入りました。

素材だけはプラチナか18金(イエロー)かは
形を見て決めたいということとで
まずはデータのみ製作しました。

今までは今回のようなシンプルなデザインでも
石座が数個あるだけで
手作りでのオーダーメイドでは手間がかかる分、
原型代もそれなりの金額になっていました。

世間のイメージでは
ジュエリーのオーダーメイドでは
職人が地金を切って削って1つ1つ手作りで・・
というイメージがあり、
パソコン上で作ることに抵抗のある方もいるかもしれません。

しかし、
大手やブランドほどこういった最先端の技術を積極的に取り入れていますし
手仕事では難しい仕事が短時間で正確にできたりもします。
(逆のパターンもありますし、手仕事とCADを併用して作ることもあります)

手作りに込められた「職人技」も素晴らししいと思いますが
CADを使うことで正確な形で短納期、
結果的に金額も抑えてお客様にご提供できるなら
積極的に使ったほうがよい「技術」ではないかと思います。

弱点はデータ上ではよくても現物になると
大きさがおかしかったりするので
やはり「ジュエリーの作り」の知識などは必須となります。
今回もダイヤモンドの大きさに合わせて
爪の大きさを0.1㎜単位で調整しています。

個人的にはレーザー溶接機と
このCAD(と造型機 いわゆる3Dプリンター)は
ジュエリー製作にとっては大発明で
この2つがないと今は仕事になりません。

所属している貴金属技能士会という職人の集まりでも
伝統的な彫金技法で一流の腕をもっているにもかかわらず
CADを使っている方は多いです。

話を本筋に戻します。

ご来店していたら
原型データを縦・横・正面・斜めからの4面図で見ていただきます。
ご来店が難しい場合はメールで画像を送ることもできます。

また作ったデータは360度好きな角度から見ることができるので
手書きのデザイン画よりお客様に
出来上がりイメージを伝えやすいです。

なのでデザイン画と出来上がりが違うという
オーダージュエリーでよくある問題も
かなり軽減されます。

そしてここがCADのすごいところなのですが
この原型データを修正する事ができます。

当たり前のようですが
通常の手作業だと1から作り直すこともある
手間のかかる作業が
短時間で終わります。

 

CADで原型を作っても
鋳造から上がってきた指輪を仕上げるのは
昔から変わらず人間の仕事です。

湯口と呼ばれる指輪の後ろのでっぱりを削り
石留め、仕上げをして完成です。

今回は原型データの段階で
相当細かくお客様と打ち合わせをして
3Dプリンターで造形して
プラチナの指輪にしました。

原型データと出来上がりの画像を並べてみると
ほぼイメージ通りにできているのが
お分かりいただけるかと思います。