Pt900&K18YG ペア
フルオーダー ギメルリング

BEFORE
TOTAL 25万円前後
AFTER

素材刻印    K18
ブランド    なし
納期      4週間
金額内訳

Pt900&K18YG フルオーダー ギメルリング 約 ¥250000

職人コメント

画像のお持ち込みで
「ギメルリング」を作れないか
ご相談をいただきました。

ギメルとはラテン語でgemellus=双子の意味で
画像のように2本の指輪がパズルのように重なって1本になる
16世紀ごろに流行った結婚指輪です。

知ってはいましたが
作ったことはなかったので
お客様にはお時間をいただいて
まずはインターネットで製作方法を調べます。

すると手作りで板から作ると
1本の指輪を作るのにその3倍くらいの地金が
必要との記述を見かけました。

まずはシルバー地金で試作品を作ってゴム型を取って
貴金属で鋳造してそれをペアで作るとなるとコストが・・・

しかし、さらに調べていくと某彫金学校のHPでは
CADを使って作っているとのことで
出来上がりのギメルリングのデータ画像が載っていました。

「CADで作れる」ということは分かったので
どうやって作るかを考えます。

こういった場合は
パソコン上でデータを作って
シュミレーションします。

変な捻りが入っているせいで
データにエラーが出てしまいましたが、
解決方法も見つけて
修正して無事完成。

データ上では片側を左右対称に作ると
うまく重なるということが分かりました。

試しに片側のみを造型することにしました。

まずはシルバーと真鍮でサンプルを作ります。

出来上がった2本の指輪の片方の一部を切って
もう片方に通します。

上手く重なりました。

重なって1本になると分かったので
切断面を閉じて溶接します。

サンプル製作が問題なかったので
本番の貴金属で製作します。

メンズの指輪の片側を造型してゴム型を取り、
18金で1本、プラチナで3本を鋳造しました。

レディースはメンズの幅を削って
サイズを縮めて対応しました。
形もレディースは甲丸希望だったので
ヤスリで削って成形しました。

メンズは
素材がプラチナで
形は平打ち、
仕上げは鏡面と艶消し。

レディースは
素材はプラチナと18金で
形は甲丸、
仕上げは鏡面で
お作りしました。

このデザインはどう考えても手間がかかるので
板から手作りで1品物製作のほうが素敵だとは思いますが、
今回はコストをどうやったら抑えられるかに重点を置いて
製作しました。

お客様も出来上がりが変わらなければ
安いほうがよいとのことで大変喜んでいただけました。